金持ちになるための濃ゆい理論(上念司)

経済評論家であり、実業家でもある上念司さんによるビジネス書です。

著者である上念司さんのサラリーマン時代から独立して事業を軌道にのせるまでの経験から、金持ちになるための方法が記されています。

 

人生には、様々な悩みがあると思います(車を買いたい、おいしいものを食べたい、仕事をやめたいetc.)。そして、これらの悩みの9割は、お金ですべて解決することができます。この本では、お金で解決できる悩みはお金で解決してしまって、お金で解決できない残り1割の悩みのため為に全力を尽くすべきだと書かれています。人生における幸せとは、このお金で解決のできない1割の悩みに立ち向かうことで得られるのです。

 

著者は、大学卒業後、銀行に就職します。しかし、銀行で定年まで働き続けることで、安定して高収入を得られるようになるにも関わらず、そのような生活は楽しくなく、次第に苦痛を感じるようになりました。本当に望んでいたことは、管理された安定して高収入を得られるような生活ではなく、「朝起きて自分の行きたいところに行き、やりたいことをやる」「どんな仕事をするかは自分で決め、どこまでやるか、いつまでにやるかを自分で決める」大きな自由でした。

 

人生の中で興奮とエネルギーに満ち溢れていたのは、大学4年の弁論部時代でした。いつまでも、弁論部の時代のような生活を続けたいという思いが、ビジネスへの原動力になっていきます。

他人との比較によって満足が得られる財(主にお金で解決できる)を「地位財」、他人との比較とは関係なく満足が得られる財(主にお金で解決できない)を「非地位財」と呼びます。地位財は、満足が長続きしにくく、非地位財は、満足が長続きしやすいことが知られています。著者にとっての非地位財は、弁論部の時代のような生活を続けたいという思いなのです。

 

このアイデンティティに根差した非地位財を自分教と呼び、読者にも自分教を持つことを勧めています。そして、その非地位財を達成するために、それ以外の誘惑は一切断ち切るべきだと述べます。

 

金持ちになるには、真の長期計画を持つことが重要です。長期計画を作るには、以下のポイントを抑えることです。

・「自分教」を確立して着地点を決定

・「やめるべきリスト」を作成して即実践

・低空飛行でも飛び続ける

・ネガティブ・シンキングで最悪の事態を想定

・最悪のピンチはチャンスだと捉えて投資機会を探る

これらを参考にして、「金持ち道」を突き進んでください。